<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<rss version="0.91">
  <channel>
    <title>Dark Blue Loneliness</title>
    <description>一人きりで深海にいる様な孤独の中で、人は何を思い、何を感じるのか。</description>
    <link>http://gushax2.guhaw.com/</link>
    <language>ja</language>
    <copyright>Copyright (C) NINJATOOLS ALL RIGHTS RESERVED.</copyright>

    <item>
      <title>追憶</title>
      <description>僕が小学六年生の頃だったと思う。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
数年に渡って、寝たきりだった祖母が死んだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それは真夏の事。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
空の彼方には見事な入道雲。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
しきりにクマゼミが鳴いていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そんな中で町外れにある病院へと向かった事を覚えている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そろそろ、危ないらしいよ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
母に連れられて、親類と一緒に今際の際のいる祖母を見舞ったのである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その時に見た祖母の最後の姿は、とても大人とは思えないくらいに縮んでしまっていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
幼き日に見た、ふくよかな祖母の体。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
どちらかと言うと、肥満と言ってもいいくらいであっただろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その祖母の体が数年の寝たきり生活で、あんなになってしまうなんて。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
勿論、その過程も何度かは目にしてきた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それでも、祖母の最後の姿は子供心に衝撃を受けたのを覚えている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
『祖母は幸せだったのだろうか』&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
同時に、そんな事を思ったりもした。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
勿論、元気な内は幸福であっただろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
しかし、寝たきりになってからの数年間。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕はそこに疑問を抱いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その数日後、祖母は帰らぬ人となったのである。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そして僕は思い出した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
幼い頃に事故で死んだ父。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その時には母や祖母、伯父や伯母、他の親類達も皆、哀しみの中にいた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
勿論、祖母が死んでも哀しくはあるのだろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、父の時とは何かが違った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それは僕が幼かったから、だろうか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いや、それだけではないだろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
一つには、ある意味、大往生だった事。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
此処、数年は寝たきりであったが、齢は90を超えていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
若くして死んだ父とは違いが出ても不思議ではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
父の死は残念さが全てであったのではないか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
祖母の死には少しだけ、めでたさの様なものもあったのかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そして、もう一つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
周囲の者達には安堵感の様なものがあった様に感じた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
伯父や伯母が介護から解放される事への安堵感なのか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それとも、祖母が寝たきりという状態から解放される事への安堵感なのか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
或いは、その両方なのかもしれない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
糖尿病から白内障を併発して失明。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その後、数年間に渡っての寝たきり生活。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そんな祖母の介護を続けてきた伯父と伯母。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
決して悲壮感を感じた訳ではないが、それでも苦労は尽きなかっただろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そう考えると、介護をする方も、される方も、果たして。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
子供ながらに色々と考えさせられた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
『あんなになってまで生き永らえて本当に幸せなのか』&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そして思った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
『自分は長生きをしたくはない』&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
漠然とだが、そんな風に思った事を思い出している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
目線の先には見事な入道雲。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
しきりにクマゼミが鳴いている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は未だに『生きる事』に疑問を持っていた。</description> 
      <link>http://gushax2.guhaw.com/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B0/%E8%BF%BD%E6%86%B6</link> 
    </item>

  </channel>
</rss>